次こそ大舞台で勝つために。悔しい銅メダルから高梨沙羅が得たもの (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AP/AFLO

 今年1月のW杯札幌大会頃から悩み出し、平昌五輪のプレ大会でも口にしていた助走スピードの遅さという点は、世界選手権に向けて改善されていた。1本目はまずまずのジャンプを飛べたが、2本目は勝つことを考え過ぎて少し力み、バランスを崩してしまったという。

「今回はアプローチの部分は完全に切り換えられていたと思うし、ジャンプも内容的にはそこまで悪くなかったと思います。ただ、いつもいい内容の後に結果がついてくると考えて競技をしているつもりですが、どこかで先に結果を考えてしまい、自分のやるべきことを見失ってしまうときもあります。現に今日の2本目は『いいジャンプを見せたい』『いいところを見せたい』という気持ちで力んでしまったという硬さもあったと思う。もう少しリラックスしていれば、そういうところもリカバリーできたと思います。どんな状況に置かれても自分をしっかり保ってベストを尽くせる人が、こういう大舞台で勝てる選手なのだと思います」と、勝ちきれなかった無念さを滲ませた。

 混合団体が終わったあとに大会を振り返って、「今年一番目指していた大会なので、自分のベストを尽くしたと思っています。それでもやっぱり『もっとできたんじゃないか』と思うところもあります」と話した。

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