新しいスキーでW杯53勝目の高梨沙羅。
「一番勝ちたい」世界選手権へ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao/PHOTO KISHIMOTO

 前戦のオーストリア・ヒンゼンバッハでは連勝して、アプローチの滑りを改善できたという手応えを得ていた。その後、日本に帰ってからは、平昌と形状が似ている白馬ジャンプ台で練習をしてこの大会に臨んだが、1月の札幌大会から少し狂い始めていた滑りを完璧には修正しきれていなかった。それでもスキーを変えてみるという新しい試みをした上、難しい条件の中でしっかりと勝てたのは彼女にとって大きな収穫だろう。

「私は内容の後に結果がついてくると思っているので、まずは自分のやるべきことに集中しなければと思っていました。その点では今日はやるべきことが山ほどあったので、そこに気を取られて、勝敗に気持ちが向かなかったのがよかったのかもしれません。こういう難しい条件の中でしっかりと自分を保つことができたというのは、来週からの世界選手権(フィンランド・ラハティ)に向けてもいい準備ができているということだと思います」

 平昌大会は、今季のなかでも高梨が目標のひとつに挙げていた大会だ。そこで53勝目をあげられたことはうれしいと言いながらも、反省点もあるといい、帰国してからビデオを見直して世界選手権へ向かうという。

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