4日で5種目のタフ娘。オールラウンダーの高木美帆が五輪メダルへ前進 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao/PHOTO KISHIMOTO

「ベストが出たので悪い滑りではないし、自分の今のコンディションを受け入れてその中でどう滑るかに集中してレースに挑むことができた。ただ体調面では1月末のベルリンから万全ではないと感じている。年末から体重が落ちていたり、コントロールできていないので、連戦の疲れだけではないと思う。調子をここに合わせるというのは一筋縄ではいかないなと思った」

 それでも2日目の女子パシュートでは、姉の菜那や押切美沙紀(富士急)と組み、15年にカルガリーで出した日本記録に0秒04まで迫る2分56秒50を出して、オランダに次ぐ2位となる牽引役を担った。3日目に出場した1000mは、パシュートで力を使ってしまったダメージが出ていたという。

 最終日はそんな状況での、1500mとマススタートの2種目に出場だった。

1500mでは、「いつも最初の300mの入りの時に、(最初の)直線の100mは速いのに、カーブを過ぎた200mからの直線で、カーブを滑るリズムに乗り過ぎてスピードに乗れないというのが続いていたので、そこを含めて300mの手前からどんどんスピードを上げていくイメージを持って滑った」という。実際に、300m通過は12月のヘレンベーンより0秒15速い25秒46だった。前日まで悩んでいたスピードを乗せられないという部分も、ちょっとした修正で改善できたと振り返る。

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