アイスホッケーの美女GK藤本那菜、平昌五輪決定に導いた1年前の決意

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が日本勢一番乗りとなる平昌(ピョンチャン)五輪の出場権を獲得した。そのスマイルジャパンの守護神として、ゴールを守り抜いたのが藤本那菜だ。約1年前、スポルティーバは藤本にインタビューを行ない、彼女の素顔と平昌五輪への思いについて聞いていた。藤本がどんな決意で五輪最終予選に挑んでいたのか、あらためて紹介したい――。

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 NWHLニューヨーク・リベターズでプレーする藤本那菜 NWHLニューヨーク・リベターズでプレーする藤本那菜【web Sportiva 2016年1月掲載の再録】

 2015年10月に産声を上げた、世界初の女子アイスホッケープロリーグ『NWHL(National Women's Hockey League)』。この新リーグで、ひとりの日本人選手がプレーしている。アイスホッケー女子日本代表、通称"スマイルジャパン"の一員でもある、GK藤本那菜(ニューヨーク・リベターズ)だ。彼女が新リーグでプレーするに至った経緯とは。そして彼女が目指す場所とは――。

―― いきなりですが、「AKB48の小嶋陽菜さんに似ている」と言われませんか?

藤本那菜(以下:藤本) いえいえいえいえ。もしかして、ちょされてますか?

―― ちょされてる? 方言ですか?

藤本 すみません、北海道弁ですね(笑)。「からかってますか?」って意味です。

―― いえいえ。ではさっそく、藤本選手の経歴からお聞きしたいのですが、競技を始めたのは小学校1年なんですね。

藤本 はい。父がアイスホッケーを子どものころにやりたかったけど、できなかったらしくて。「自分の子どもには絶対にやらせたい!」と思ったようです。なので、いつの間にかリンクの上にいたというか、気づいたらアイスホッケーを始めていました。

―― そこから、メキメキと頭角を現していった。

藤本 それが私、運動神経が全然なくて......。サッカーをすれば、ボールを踏んでコケる。ドッジボールをすれば、ボールを顔面でキャッチする、という(笑)。アイスホッケーも残念ながら壊滅的に才能がなくて。小学生時代は男女混合で、AリーグとBリーグにレベル分けがされていたんです。だいたい4年生になるとAリーグに昇格するんですが、私は4年生になってもBリーグのまま。キーパー以外のすべてのポジションをやったんですけど、どこをやってもかんばしくなくて......。すると、ちょうど5年生になったとき、チームにキーパーがいなくなったんです。キーパーがいないと試合ができないので、私がキーパーになったという流れで(笑)。さすがに父も、キーパーでも芽が出なかったらアイスホッケーをやめさせようと思っていたらしいですね(笑)。

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