プロ・内村航平の武器は言葉。「もうメディアに出る恥ずかしさはない」 (3ページ目)

  • 元永知宏●文 text by Motonaga Tomohiro

 自身の思いや考えを伝えることの重要性に気づくまでの過程を、内村はこう話した。

「世界選手権6連覇、オリンピック2連覇は、体操選手として初めて残せた成績です。この経験を下の代にどうやって伝えていくか、見ているみなさんにどう伝えていくかということが、これから先、僕のやっていく仕事だと思います。今後の体操界にもつながることなので、どうにかして伝えていきたいという思いがありました。

 最近、テレビ出演やイベントなどにも出させていただいていますが、体操の素晴らしさ、自分の演技の見どころなどを語っていくことで、体操が広がるんじゃないかなと思っています。メディアに出る恥ずかしさはもうありません。19歳、20歳くらいのときは、あまり好きじゃなかったんですけど、成績を残すにつれて、どうにかして伝えていきたいなっていうふうに変わっていきました。

 自分の生まれた国でオリンピックが見られるというチャンスはなかなかありません。僕の場合は競技者として目指せる年齢でもありますし、そこ(2020年東京オリンピック)は絶対に目指さないといけない。日本でオリンピックをやることによって、日本の素晴らしさも世界に伝えられると思うので、日本の素晴らしさとともに、体操の競技としての素晴らしさも世界に発信していけたらいいですね」

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