バドミントン女子シングルスが
東京五輪に向けて「戦国時代」に突入か

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 岡本範和●写真 photo by Okamoto Norikazu

 一方、敗れた山口茜は、「今大会は1回戦から緊張していました。今年から社会人になって、高校生だった去年より相手に向かってこられるようになって精神的に疲れていました。ただ、その中で決勝に進めたのはよかった。今日の試合も精一杯やったのですが、佐藤さんが強くて、いつもなら決められるところを決めるのが難しかった。相手が一枚も二枚も上だったので、また一から頑張っていきたいと思います」と話した。

 福井県立勝山高校を卒業した今年、山口はリオデジャネイロ五輪に出場し、準々決勝で銅メダルを獲得した奥原希望(日本ユニシス)に敗れて5位に終わる。

 悔し涙を流した五輪の後は、9月のジャパンオープンの準々決勝で奥原に初勝利を挙げてベスト4に進出すると、翌週の韓国オープンで3年ぶりにスーパーシリーズを制覇。10月のデンマークオープンも制し、2大会連続でスーパーシリーズ優勝を果たした。上位8名のみが出場できる12月14日からのドバイ・スーパーシリーズファイナルのドバイランキングを2位にまで上げ、全日本総合も優勝候補の筆頭だった。

 しかし、その山口が大会前に「誰が優勝するかわからない状況」と話していたように、日本の女子シングルスはレベルが高い混戦となった。12月1日現在の世界ランキングでは、奥原の4位と山口の9位に続き、佐藤が14位で三谷美菜津(NTT東日本)が18位、大堀彩(トナミ運輸)が19位と、20位以内に中国の3名を上回る最多の5名がランクインしている。

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