バドミントン女子シングルスが東京五輪に向けて「戦国時代」に突入か

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 岡本範和●写真 photo by Okamoto Norikazu

 12月4日の全日本総合バドミントン選手権、女子シングルス決勝。ドロップショットの応酬や、意表を突くスペースへのショットなど、知力と体力を駆使し、互いに点を取り合う緊張感のある戦い。それを2対0で制したのは、25歳の佐藤冴香(ヨネックス)だった。

ついに復活を遂げた佐藤冴香(左)と、今年のリオ五輪に出場した山口茜ついに復活を遂げた佐藤冴香(左)と、今年のリオ五輪に出場した山口茜 激闘を制した佐藤だが、12年ロンドン五輪では、試合中に左膝前十字靱帯断裂と半月板損傷などの負傷で途中棄権という悔しい経験をしている。その後、1年間競技から離れて世界ランキングも300位台まで落とした。

 今年の5月には世界ランキングをやっと12位まで上げたが、11位の山口茜(再春館製薬所)には届かず、リオデジャネイロ五輪女子シングルス代表の日本人2枠目を逃していた。一時は引退も考えたというが、リオで戦う奥原希望と山口の姿を見て、「悔しいという思いが生まれて、自分はまだバドミントンをやりたいんだということに気がついた」と、競技続行を決意したのだった。

 今大会、決勝進出を決めたときは「五輪の経験もそうでしたが、茜はジャパンオープンで奥原さんに勝ったあたりから、精神的にも落ち着いてきていたし、一番になりたいという気持ちが出てきたかなと思う。彼女からみれば私は格下だから、自分がベストでいかないとボコボコにやられてしまうと思う」と気を引き締めていた。

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