あわや102年ぶりの新入幕V。石浦はオーストラリアで相撲に目覚めた

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Kyodo News

 横綱・鶴竜(31歳・井筒部屋)が7場所ぶりの優勝を決めた大相撲九州場所で、またひとり、土俵に新たなスターが誕生した。新入幕の石浦(26歳・宮城野部屋)だ。幕内最軽量となる身長173センチ、体重114キロの小さな体を存分に使った、スピード感あふれる相撲で暴れまわり、2日目から怒涛の10連勝。終盤まで優勝争いに絡む大活躍を見せた。
 
小兵ながら、鍛えあげた肉体を武器に勝利を積み重ねた石浦(右)小兵ながら、鍛えあげた肉体を武器に勝利を積み重ねた石浦(右) 新入幕(1949年の1場所15日制以降)の10連勝は、大鵬、陸奥嵐に続く3人目の快挙。新入幕で優勝を果たしていれば、1914年5月場所の両国以来となる102年ぶりの大偉業だっただけに、一躍話題の中心に浮上し、スポーツ紙が一面で取り上げるほどの旋風を巻き起こした。

 奇跡の優勝には届かなかったが、10勝5敗の好成績で敢闘賞を獲得。新入幕三賞は今年初場所の正代(25歳・時津風部屋)以来。同じ部屋の横綱・白鵬(31歳)も新入幕だった2004年夏場所で敢闘賞を受賞しており、偉大な兄弟子にひとつ肩を並べたことになった。

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