W杯3連勝のスピードスケート小平奈緒、平昌の「金」がハッキリ見えた (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • フォート・キシモト●写真 photo by PHOTO KISHIMOTO

 100mを通過してから半径が大きなカーブを回るアウトレーンスタートの方が、減速は少ない状態でバックストレートに入れるため、次の半径が小さなカーブをハイスピードで入っても回りきれる技術を持っているトップ選手は好記録が出やすい。それを考えれば今の小平は、12年にイ・サンファがアウトレーンスタートで出した、37秒60というエムウェーブのリンク記録にも迫る力を持っているということだ。

 だが今シーズンからW杯の出走は、種目別総合順位で組み合わせが決まり、ランキング19位と20位の第1組から始まり、最終組は1位と2位が組むことになった。また、ランキング上位者はインレーンになるというルールだ

 小平は、「W杯のポイントランキングが1位だとずっとインスタートになるので、どこかでアウトスタートもできたらと思います。12月にエムウェーブでやる全日本スプリントは2本レースがあってインとアウトを滑れるので、そのチャンスを狙ってベストを狙っていきたいです」と笑顔を見せる。

 小平を指導する結城啓匡コーチも「本人はアウトスタートの方が好きだけど、平昌五輪はそんなことは言ってられないので。その点ではいい練習になっています」と苦笑する。

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