【月刊・白鵬】復活V狙う横綱が、九州場所で気になる「2人の力士」 (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 とにかく、秋場所中に足の手術をして、その後、土俵に上がる許可はドクターからなかなか出ませんでした。秋巡業が始まる頃になると、体が相撲を欲しているというか、「動きたい!」という衝動がどんどん強くなっていきました。きっと、私は根っからの力士であり、相撲人なんでしょうね(笑)。

 途中から参加した秋巡業では、徐々に体を慣らして、終盤に入った広島巡業からは土俵にも上がって、幕内力士とも稽古を敢行。そのときは、「やっぱり、これだな!」と感慨深いものがありました。こうした経過を踏んで、例年どおり福岡入りできたことは、本当によかったと思っています。

 さて、巡業に復帰できた喜びに浸っていると、私にとって、さらに喜ばしい一報が届きました。軽量力士として十両で奮闘していた宮城野部屋の弟弟子・石浦が、九州場所での新入幕を決めたのです。

 それだけではありません。以前、大喜鵬の四股名で幕内の土俵で相撲を取っていた山口が先場所、幕下2枚目で全勝優勝。病気が原因で一時は三段目まで番付を下げていたのですが、九州場所での十両復帰が決まったのです。

 彼らは私がスカウトしてきた、いわゆる「内弟子」と呼ばれる力士たちです。それゆえ、「いつか、横綱土俵入りの太刀持ちと露払いを、石浦と山口のふたりに務めてもらえたら最高だろうなぁ」と、夢を見ていました。そうしたら今回、石浦が入幕。ついに彼が露払いを務めることになり、その"夢"が現実味を帯びてきて、非常にワクワクしています。

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