何者なんだ? 男子スピードスケートに現れた新星は「村上電気」所属 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

 こう話す村上は、昨年の全日本スプリントの500mで、初日が3位で2日目が4位。その結果を評価されてナショナルチーム入りを果たした。それまでは父親の忠則さんがコーチで練習を積み、北翔大を3年で中退した昨年からは父親が営む電気の保守管理業の村上電気管理事務所で働き、電験三種(第三種電気主任技術者)の取得を目指しながら競技を続けていた。

「中学、高校、大学といい成績が出ていなかったので何度もやめようと思ったけど、高校の時は島崎京子さん(長野五輪まで3大会連続五輪出場。日本女子初の500mW杯種目別総合優勝)に教えてもらってインターハイで3位になれた。大学3年でやめようと思った時もパワーリフティングの日本記録保持者の方とたまたま出会って指導を受けたら、35秒台が出て、そこでもう少し続けてみようと思いました」

 去年の夏は仕事もしていたため、週にウエイトトレーニングを5時間ほどやるだけだったが、ナショナルチームに入った今年は30時間以上になっている。

「今年はナショナルチームで毎日練習していたので集中もできたし、コーナーの技術もコーナーロープの使い方を教わったので、陸上でそのイメージができたのもよかったと思う。パワーはあるんですが、まだ体幹が弱いので体がブレるし、コーナーの技術も課題です。まだ世界と戦ったことがないので、これからW杯に出てどれだけ通用するかを学び、世界とどう戦っていくかをコーチと相談しながらやっていきたいです」

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