日本女子スピードスケート復活へ。平昌五輪のメダルが見えてきた (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

 こう言って苦笑する高木だが、チームパシュートで一緒に戦った押切と同走だったというのも大きかった。昨季も、高木がインレーンで押切がアウトレーンスタートというレースを何度も経験して、「ここで頑張れば勝てる」というポイントを見つけていたという。それが1100mまでの1周だった。今回も、落ち着いて自分のレースができた。

「夏以降の練習では3000mを意識する部分が大きかったので、1500mのためとは思っていませんでしたが、3000mの課題を意識したお陰で1500mの落ち着きが出てきたのかなと思います」

 昨季は自分の好調の理由を、「1000mや1500mをどういう風に滑ればレースで100%出し切れるかという戦術的なことを考えられるようになったことで、以前より練習に集中できるようになりました」と話していた。さらにナショナルオールラウンドチームは今季、姉の那菜や、佐藤綾乃(高崎健康福祉大)などが加入して新たな刺激も生まれ、「もっとこうしなければ」と考えるようになったという。

「今年は五輪のプレシーズンだから、世界がどこまで伸びてくるかわからないので......」と高木は言うが、昨季の世界距離別選手権では8位ながらも、3位に1秒74差までに迫っていて、表彰台も手が届く状態だった。それを考えれば今回の結果は、今季の彼女の飛躍を期待させるものである。

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