五輪女王から世界女王へ。
バドミントン高橋・松友ペアが再スタート

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 1回戦2回戦はすんなりと勝ち上がったものの、準々決勝、準決勝は厳しい試合となった。しかし、その2戦を乗り越えたことが、精神面で刺激が入り闘争心も戻る要因となった。

 決勝の第1ゲームは交互に点を取り合う形になり、高橋と松友が18対19から4点を連取して先制したが、デンマークペアは疲労もあったのか、ガンガン攻めてくるというよりは長身を生かした角度のあるスマッシュなどで、余力を残した戦いぶりだった。

 第2ゲームも前半は松友のネット前のうまさも出て、12対7とリードしたが、徐々に攻めるバドミントンに変えてきたデンマークペアが追いつき、逆転されてそこから高橋と松友は、2点返したが18対21で取られた。そして、最終ゲームはデンマークペアが中盤に6点連取して抜け出すと、その後も連続得点を重ねられて12対21で敗れてしまった。

「私たちは決勝までタフな試合をしてきたが、その点高橋と松友はそうではなかったから、タフな試合に対する心の準備ができていなかったのかもしれない。今まで私たちは決勝まで進めてもなかなか優勝できなかったが、やっとスーパーシリーズという大きな大会で金メダルを獲れたのは非常に嬉しい」

 こう話すデンマークのリタユールは、勝利が決まった瞬間に使っていたラケットを観客席に投げ込むほど興奮していた。

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