亡き千代の富士が"技と魂"を注入。モンゴル出身・千代翔馬の覚悟 (4ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Kyodo News

 入幕を果たしたとはいえ、千代翔馬の相撲はまだまだ発展途上。部屋を継承した元大関・千代大海の九重親方からは「相手の動きに合わせた、"出たとこ勝負のケンカ殺法"の相撲になっている。もっと、自分から攻める姿勢が必要だ」と課題を突き付けられている。

 千代翔馬本人にも驕(おご)りはない。技を研究するだけでなく、四股、すり足、鉄砲など、「基本の徹底」を大事にしていた先代・九重親方の教えを忠実に守っている。

「特に重要と言われたのは四股でした。だから今は、1回の四股をおろそかにせず大切に踏むように心がけています」

 師匠は亡くなっても魂は不滅。鍛錬を積み重ねた体は身長183㎝、体重130㎏まで大きくなり、現役時代の千代の富士(身長183㎝、体重126㎏)とほぼ同じだ。

「まわしをつかんだら、師匠のように絶対に離さないで攻めていきます」

 偉大なる師匠から受け継いだ"技と魂"で、幕内の土俵で暴れまわる覚悟だ。

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