Jに2100億円投入のダ・ゾーン、「ベイスターズでも実験しますよ」 (2ページ目)

  • 石塚 隆●文 text by Ishiduka Takashi

――サッカーの中継ではOptaのデータを活用すると言っていましたが、野球中継ではMLBでも導入されている選手の走攻守のデータであるトラッキングシステムを取り入れていく予定ですか。

「野球の場合はちょっと違っています。私たちのグループ会社であるOptaとは異なり、トラッキングシステムに関しては通常ホストブロードキャストから送られてきます。しかし弊社はホストブロードキャストではなく、現地のテレビ局からフィードを受けているのでシステム上トラッキングシステムを扱うのは難しい。

 しかし、横浜DeNAベイスターズとの協議の中で、弊社がどのように野球に新しい付加価値をつけることができるか話したところ、制作のサポートやトラッキングシステムなどを取り入れることによって、そういう価値が加えられるのではないかといった見解になりました。MLBでは、リプレーでベース間を走るスピードのデータが付け加えられています。こういったデータはおもしろいので、日本のプロ野球でも活用できればと思っています。おそらく来シーズンあたりから、横浜DeNAベイスターズとイノベーションに富んだ実験をし始めると思います。

 たとえば、中継でピッチャーのボールの速度が示されるのは普通ですけど、ボールの回転数までは知らされていません。ピッチャーはだいたい7~8回になると疲れてきて、初回と球速が一緒であったとしても回転数が減り、それにより被弾しやすくなるといったこともあるそうです。

 球速よりも回転数が重要であるなど、他にもあらゆるアプローチがあると思うので、横浜DeNAベイスターズも含めて、球団と話し合いの機会を持ちたいと考えています」

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