ダ・ゾーンCEOを直撃。「Jリーグに2100億円、高くないですか」 (3ページ目)

  • 石塚 隆●文 text by Ishiduka Takashi


――それにしても、Jリーグとの10年2100億の大型契約には驚かされました。正直、かなり高い金額だと思うのですが、なぜそこまでの価値を見出したのか教えてください。

「まず、私はこの契約が成立したとき本当にうれしかったし、双方にとって素晴らしいことだと確信しました。確かにおっしゃるように契約金に関しては、過去支払われてきた額よりも大きい。ただ、私たちのビジネスは過去を振り返るより、未来を見据えなくてはいけない。

 DAZNにとってこの契約の最大のメリットは10年契約ということであり、長期的なパートナーシップを組めたことです。

 いつでもどこでもスポーツを視聴できるのが弊社のサービスなわけですが、ここ1~2年の話ではなく、5年10年と継続させることで私たちの事業は大成功すると確信しています。そういった意味でJリーグとの10年契約はとても重要で、これがあることで、長期的にあらゆる戦略や計画を立てることになります」

――長期契約であり投資額も大きい。DAZNとしてはメインとなる放送関連ばかりでなく、たとえばリーグの運営など既存のシステムにコミットしていく可能性はあるのでしょうか?

「長期的な契約をJリーグと交わしているので、いろんな角度で協力をし、日本のサッカー文化を成長させていく予定はあります。

 たとえば近いうちに実行できそうなのが、中継の制作の質を上げるということですね。私たちとしては、カメラの台数やスペック、そして新しい革新的な技術を用い、ヨーロッパサッカーと同じレベルまで持っていきたいと思っています。
 
 ただ、Jリーグの運営自体に関しては、先方から意見を求められることもあるとは思いますが、そのあたりのルールや大会の構造などはJリーグが決めることになるでしょう。次の世代のためにもJリーグを大事にしなければいけません。DAZNとしても10年後だけじゃなく、もっと長いスパンで日本のサッカーの成長に寄与できるよう協力していきたいと思っています」

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