【月刊・白鵬】横綱がモンゴル開催の世界相撲選手権を手がけた理由 (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 男子のロシアチームは、団体戦でモンゴルを下して優勝した他、個人戦でも軽量級と重量級の2階級を制覇。主力選手は、31~32歳と私と同世代だったのですが、力の強さに加えて、相撲の勝ち方を知っているように見えました。素晴らしかったです。

 団体戦準優勝のモンゴルチームは、現在日大の4年生で、今大会の無差別級を制したトゥルボルト選手に、以前大相撲の力士だったビャンバジャブ選手など、実力派ぞろいでした。その分、期待は大きかったのですが、強豪ロシアには一歩及ばず、地元優勝を果たすことはできませんでした。

 また、これまであまり見る機会のなかった女子の戦いも見事なものでした。アマチュア相撲の世界では、女子も体重別になっているのですが、軽量級(65kg未満)や中量級(65kg以上、80kg未満)では、レスリング的な技が決まることが多くて、展開が二転、三転することがあります。非常にスリリングで、目が離せない相撲が多く、個人的にはとても面白かったです。

 肝心の日本チームは、団体戦は男女ともに3位。それでも、個人戦では中量級の三輪隼斗選手(日体大4年)が優勝を飾りました。

 ところで、大会とは別に、私にはある思いがありました。それは、各国の選手たちにモンゴルという国を知ってもらいたい、ということです。

 そこで、大会前日のウエルカムパーティーでは、ウランバートル市内を一望できる草原リゾートに、選手、スタッフのみなさんを招待。モンゴルの自然や文化を堪能してもらいました。

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