バドミントン松友美佐紀。金メダリストは5年前、何を語っていたか (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

 だが、五輪代表への道は険しい。ダブルスの国別出場枠は最大2。つまり、世界ランキング上位2組が権利を得ることになるが、10月13日時点で藤井&垣岩ペアが3位、末綱聡子&前田美順ペアが4位、松尾&内藤ペアが7位と、松友らの上で3ペアがしのぎを削っている。さらに、その3ペアがベスト8以上に進出した8月の世界選手権で、松友たちはベスト16止まりだった。

 ただ、同大会で3位入賞を果たした末綱&前田ペアとは、ファイナルまでいく大接戦を演じている。

「昨年から(末綱&前田ペアとは)練習や遠征で一緒になっていましたから、お互いによく知っている関係。そういう状況の中、こうやったらいけるんじゃないか、という手応えは少なからずあったんです。試合では、それが結構成功して競り合えたんですが、ファイナルで私の足がつりそうになってしまって......。だから、余計に悔しかった。試合後、他の選手たちを応援するために観客席へ上がった途端、試合のことが蘇(よみがえ)って『あぁ~、何をやってんだぁ』とすごく落ち込みました」

 世界の強豪に揉まれながら、手応えも感じている。

「年明け早々の試合と今の試合をビデオで見比べて、球筋がすごくしっかりしてきたし、試合中でも『こうしたら相手は崩れるな』というのを見つけられたりして、試合運びもかなり変わってよくなっていると思います」

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