バドミントン高橋&松友ペアが「金メダルに一番近い」理由 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by REUTERS/AFLO

 一方、高橋も松友同様、小学校時代に全国制覇を果たしたトッププレーヤーだったが、中学時代にヘルニアを発症。高校時代は、持てる能力を存分に発揮できる状態にはなかった。

 そのため、ふたりが高校卒業後もペアを組んで戦っていくかどうかは、微妙なところだった。特に、松友が社会人1年目にシングルスの世界ジュニアで準優勝。輝かしい成績を残していただけに、松友がシングルスを優先すれば、ペア解消の可能性もあった。が、松友は高橋とのダブルスを重視。2012年ロンドン五輪の代表権獲得レースが始まった2011年春からは、ダブルスに専念するようになった。

 結局、ロンドン五輪出場はならなかったものの、強打の高橋とネット前のセンスが光る松友のペアはメキメキと力をつけていった。高橋も本来の力を取り戻し始め、ロンドン五輪以降、ふたりの勢いはさらに加速した。

 今井理事が再び語る。

「もともとふたりは、前衛で相手に球を上げさせるプレーがうまい松友がゲームを作って、松友が相手に上げさせた球を高橋が強打で決める、という戦い方をしてきた。それが、今もうまくはまっている。そのうえで、世界で戦うためには、やはりどちらかにパワーがないと通用しない。ロンドン五輪で結果を残した(銀メダル)藤井瑞希&垣岩令佳ペアも、垣岩のパワーがあった。高橋もそんなパワーを持っただけでなく、(そのパワーを)単発で終わらせず、何発も打ち続けられるようになった。それが、高橋&松友ペアが強くなった要因です。

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