バドミントン高橋&松友ペアが「金メダルに一番近い」理由 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by REUTERS/AFLO

 代わって出場する世界ランク7位の駱インと駱羽の姉妹ペア(中国)も、一時は世界ランク1位になったことのある強敵だが、経験豊富な趙&田卿ペアと比べれば、その"壁"の高さははるかに低い。高橋&松友の、金メダルへの期待がますます膨らむ。

 実際、ここ最近の高橋&松友ペアは非常に安定した強さを誇っている。2011年11月の初めに世界ランキング10位になってからは、着実に順位を上げていって、2013年2月には世界ランク4位まで上昇。その後は常に4位以内をキープして、2015年4月、ついに世界ランク1位を獲得した。以来、昨年12月からの3カ月間は一時ランキングを落としたものの、その期間を除けば、ずっとトップの座に君臨しているのだ。

 振り返れば、ふたりがペアを結成したのは、松友が宮城県の聖ウルスラ学院英智高に入学して半年ほど経ってからの2007年の秋。それからは一気に頭角を現して、翌2008年の高校選抜で優勝し、夏のインターハイでも頂点に立った。さらに、初出場の全日本総合選手権でもいきなりベスト4入りを果たした。

 ただ当時は、「松友ありき」という印象が強かった。というのも、松友は小学生のときからシングルスで全国大会のタイトルを総なめにしてきた逸材。常に注目され、高校に入って高橋とペアを組んでからも、ダブルスだけでなく、シングルスでも数々の栄冠を獲得していたからだ。全日本総合選手権シングルスでも、高校3年生のときに準決勝まで進出。当時、日本の第一人者だった廣瀬栄理子を相手に"あわや"という勝負を演じた。

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