目指すは東京でのメダル! 八木かなえ、一歩前進の6位入賞 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 そして、リラックスした状態で3回目は105kgに挑むと、前の2回とはまったく異なるスムーズな動きでクリーンを決め、余裕を持って差し上げてトータルを186kgにした。三宅義行監督は「2回目まではセカンドプル(バーベルを胸元まで引き上げる動作)からの上げが前に流れ、少し前で支える形になった。でも、3回目はそれが出ないパーフェクトな動きだった」と話した。そうなった理由を八木はこう話す。

「ずっとグループAでやれると思っていたので、それをすごく楽しみにしていたんです。でも、いざふたを開けてみるとグループBだったので、テンションが下がってしまって......。上位の選手との勝負が懸かれば気持ちも違ってくる。本来ならスナッチで85kgを挙げて、クリーン&ジャークは105kgからスタートして110kgは挙げたいところだったけれど、それができなくて残念でした」

 だがそんな精神状態の中でも、最低限のノルマとしていたBグループ1位を果たした八木は、最終順位を6位とした。記録がトータル186kgという不満足なものに止まった要因と、それでも入賞できたという結果。そのふたつを、これから2020年の東京五輪を目指す彼女は、しっかりと受け止め、自分の糧としなければならない。

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