【月刊・白鵬】横綱も絶賛。十両で喝采を浴びる小兵力士たち (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 手前味噌ではありますが、宇良同様、うちの石浦もよくがんばっています。身長173cm、体重110kgと、なかなか体が太らないようですが、ウエイトトレーニングをずっと継続し、その鍛えた体で大いに暴れまくっています。

 宇良も、石浦も、高校、大学時代からアマチュア相撲界では有名な選手でした。ただ、鳥取城北高から日大相撲部に進んだ石浦は、世界大会や国内の体重別の大会などでは好成績を収めていますが、無差別で戦う団体戦などのメンバーだったわけではありません。その分、大相撲の世界に入った当初は、ケガなどもあって苦労していました。

 高校、大学の同級生で、同じ宮城野部屋の山口(元幕内・大喜鵬。現在は幕下)が、スピード出世して幕内まで駆け上がっていく一方で、なかなか日の目を見ることはありませんでした。けれども、こうして今、"関取"として注目を集める存在になったことは、私自身、本当にうれしいし、頼もしく思っています。

 この場所、宇良は初日から5連勝、石浦は4連勝と、絶好のスタートを切りました。しかしその後、石浦は7連敗などもあって、最終的には7勝8敗と負け越してしまいました。小兵力士が15日間を乗り切る難しさを感じましたね。

 宇良も途中、息切れしそうになりましたが、終盤になって再び盛り返しました。結果的に11勝を挙げて、特別賞を贈ってあげたいほどの活躍を見せました。今後のさらなる活躍が期待できます。

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