2016.07.20

ありえない事態に記者ぼう然。
ツール・ド・フランスに「走る」激震

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki
  • photo by AFLO

 王者となっても、どこまでも謙虚で、礼儀正しい。勝てるレースは、全部勝つ。バイクを捨てて脚で走っても、このマイヨ・ジョーヌを守りたい……。ツール・ド・フランスは、夢を掴むために誰よりも必死になった者に栄冠を与えてくれるレースだと思う。

 一方、総合優勝争い以外では、平坦区間のゴール勝負を得意とするチーム・ディメンションデータのスーパースプリンター、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が第14ステージで今大会4勝目・大会通算30勝目を挙げた。最多勝利記録はベルギーのエディ・メルクスが持つ34勝で、カヴェンディッシュは単独2位となった。

「昨年はとても苦しんだからこそ、今年は4勝もできた。最終日のパリも勝利を狙っていきたい」(カヴェンディッシュ)。

 そう語っていたカヴェンディッシュだったが、7月19日、リオ五輪に備えるために途中棄権すると発表。リオ五輪では、トラック競技代表として出場する。コンビを組むのは、2012年のツール・ド・フランス覇者であり、すでにロード活動を停止して、「リオ五輪のトラック競技を集大成にする」と発表しているブラッドリー・ウィギンス(イギリス)だ。

 そして、2年ぶり6度目の出場を果たしたランプレ・メリダの新城幸也(あらしろ・ゆきや)は、第6ステージで敢闘賞を獲得した。2012年の第4ステージに続く受賞だが、ターゲットはそれよりも高いレベルにある。敢闘賞に喜んでいるばかりでないのが心強い。