ツール・ド・フランス開幕。新城幸也、日本人初のステージ優勝へ (2ページ目)

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki  photo by AFLO

 新城は沖縄県の石垣島出身。2007年と2013年には全日本チャンピオンとなり、2012年には五輪代表にも選ばれた。ロンドンでは展開に恵まれず下位に沈んだが、2016年のリオ五輪代表にも選出され、この夏は4年前のリベンジを期す。

 ツール・ド・フランスに出場した日本人選手は、まだ4人しかいない。1926年~1927年にパリ在住の川室競(かわむろ・きそう)が初参加しているが、競技として確立されていない時代で、当時は飛び入り参加もアリだったようだ。1996年には、今中大介が日本人プロ選手として初参加。しかし、川室と同様に途中リタイアしている。そして13年もの空白の時代が続いたのち、2009年に別府史之と新城がダブル出場。ふたりとも日本勢初の完走を果たした。ここで、日本の自転車競技の歴史が変わったのである。

 しかも、新城は初出場の2009年、第2ステージで区間5位(日本選手の歴代最高順位)といきなりの快挙を成し遂げた。2010年も2年連続で完走。2012年の第4ステージでは敢闘賞を獲得し、日本人選手として初めて表彰台に立った。2013年も第5ステージでアタックし、レース途中でバーチャル・マイヨジョーヌ(暫定首位)となったが、ゴールまでは逃げ切れず。2014年、5度目の完走。2015年は春先の大ケガでまさかのメンバー落ちとなったが、イタリアのランプレ・メリダに移籍した今季は9人のレギュラーのなかにしっかりと入った。

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