超人か。五輪ロード代表・新城幸也が大腿骨骨折から3ヶ月で驚異の優勝 (3ページ目)

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki  高木秀彰●撮影 photo by Takagi Hideaki

 本来なら、この時期はロードレースの主戦場・ヨーロッパで活動しているが、まさかの骨折で日本にとどまっていることが、ある意味ではチャンスをもたらす。2008年以来、8年ぶりにツアー・オブ・ジャパンに参戦することを表明。これには日本中のファンがビックリし、そして新城を国内で見られると大歓迎した。

 新城は2009年からヨーロッパを拠点としたプロ活動をしていたため、それ以来、ツアー・オブ・ジャパンに参加することはなかった。今季は、この大会の常連であるイタリアのランプレ・メリダに移籍したことも、8年ぶりの参戦が実現した要因となった。日本のファンにとっては、俄然レースが面白くなった。

 タイでの乗り込み合宿から帰国し、その日のうちに自宅を経由して新幹線で開幕地の大阪府堺市まで移動した新城は、ツアー・オブ・ジャパン前日の記者会見で元気な姿を見せた。

「目標は、チームメイトであるダヴィデ・チモライ(イタリア)のステージ優勝です。たぶん、3つは勝ってくれると思っています」とコメント。「今年のチーム1勝目はカタルーニャでのチモライだし、ここに来ているスプリンターのなかでは一番強い。僕は復帰戦なので、のんびりやります」と、このときの新城は肩ひじを張らずに語っていた。しかしその一方で、「日本のファンに魅せる走りをしたい。1日1日を全力で走りたい」と心境を漏らしている。

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