【体操】リオ代表2人目は加藤凌平。内村とともに金メダルを狙う (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 岡本範和●写真 photo by Okamoto Norikazu

「今日は全日本の自分の演技を超えようと、ハードルを高くし過ぎたのがよくなかったですね。国内でこういう経験ができたのはよかったと思います。僕はゆかと跳馬で代表に入ればいいと思ってしまっていたところが今回の個人総合の結果につながったと思うので、来年からは『個人総合で勝負する』と言い聞かせてやっていきたいと思います」

 最後は順位を5位まで下げた白井は、明るい表情でこう話した。

 白井が脱落した代表争いは、最初の2種目で好スタートをした加藤に対して、田中もその2種目では差を広げられたとはいえ、つり輪が終わった時点では加藤に0.55点差で2番手になっていた。

 加藤は「(田中)佑典さんはコナミで一緒に練習をしているので調子もわかっていたし、最初の2種目であまり点差を開けなかったので、跳馬では“ロペス”を跳ばなければ点差は開かないと思った」と、“側転跳び4分の1ひねり、前方伸身宙返り2回半ひねり”に挑戦。着地ではイエローラインを踏んで減点されたが、これで田中との差を1.2点に広げた。

 その後の平行棒と鉄棒では、田中が15・950点と15・900点を出して猛追。平行棒で0.4点差まで詰められた加藤は、最後の鉄棒では全日本の得点15・000点を大きく上回る15・550点を出さなければいけない状況になった。

 そんなプレッシャーのかかる中でも加藤は、G難度のカッシーナを入れて着地もピタリと決める演技で15.600点を獲得。

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