【月刊・白鵬】横綱が目標とした36度目の優勝。達成後の本音 (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 先場所4勝11敗と負け越し、カド番というピンチを迎えていた大関・豪栄道も、地元・大阪の場所で躍動。その地元の大声援を受けて、11日目を終えて1敗と優勝争いに絡む活躍を見せてくれました。

 実力がありながら、大関昇進後は思うような成績が残せなかった豪栄道。彼もまた、春場所を前にして、何か心に期するものがあったのでしょう。今後もこの調子を維持して、さらに上を目指してほしいと思います。

 豪栄道と同じく大阪出身で、少年時代は豪栄道と同じ相撲道場で稽古に励んでいた前頭4枚目の勢も、初日から7連勝という目覚しい活躍ぶりを披露しました。地元・大阪のファンの声援は、それほど心強く、豪栄道や勢にとっては大きな力となったのでしょう。

 さて、肝心の私は、初日に小結・宝富士に敗れて黒星スタートとなってしまいました。

 実はこの春場所から、私の所属する宮城野部屋の大阪宿舎が、堺市から大阪市天王寺区の上本町というところに移転しました。以前より、春場所が行なわれる会場に近く、周囲にも各相撲部屋が多く点在しているところです。そうした環境を生かして、場所前には時津風部屋や九重部屋など、積極的に出稽古へと出かけていきました。

 九重部屋の師匠は、言わずと知れた大横綱の千代の富士関です。そんな師匠の鋭い目が絶えず光っている九重部屋の稽古場は、非常に緊張感があふれていましたね。ゆえに今、九重部屋には千代大龍、千代鳳など、最多6人の関取衆がいます。そのうえで、押し相撲の力士が多く、充実した稽古をすることができました。

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