悲願達成の「舞台裏」。LS北見がカーリング日本一に輝いた理由

  • 竹田聡一郎●文・撮影 text&photo by Takeda Soichiro

 また、藤澤は「大会を通して、みんなのスイープ(アイスを掃くこと)にかなり助けられました」と、チームのスイーピングの質の高さについて言及した。

 LS北見に限らず、今季から多くのチームが新たなスイーピングを導入している。昨季までは、ふたりのスイーパーが同時にアイスを履いてストーンを運んでいたが、今季からは世界でも主流になりつつある、ひとりがメインでブラシで履いて、もうひとりがサポートするスタイルが、日本でも採用され始めた。

 LS北見は、11月にカザフスタンで行なわれたパシフィックアジアカーリング選手権(PACC)のあとから、そのスタイルを試し始めた。12月のアメリカ遠征や軽井沢国際、年明けのスイス、スコットランドなどの欧州遠征で、試行錯誤を繰り返しながら実践し続けていった。

「最初は迷いながらスイーピングしていましたが、1月の欧州遠征でやっとまとまりました。それぞれの役割もクリアになって、今大会ではこのやり方の効果や、(スイーピングで)うまく石を運ぶ感覚が改めて実感できました」

 吉田知がそう言って胸を張ったように、この日本選手権では7日間で10試合というハードスケジュールにもかかわらず、吉田知、吉田夕、鈴木らのパフォーマンスは最後まで落ちることなく、力強いスイープを維持し続けた。ややショート気味なショットでも、パワフルなスイープでストーンを狙いどおりのポイントに運ぶ、スイーパーの隠れたファインプレーが何度も見られた。

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