吉田沙保里が真摯に語る「リオへの調整」と「結婚」と「合コン」 (3ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya  佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

――プレッシャーも段違いですか?

吉田 はい。まだ、今の時期はありませんけどね。

――プレッシャーを感じるようになるのは、いつごろからですか?

吉田 春ごろかな......。一気に上がってきて、「どうしよう、どうしよう」となるのは、オリンピックが開幕して、日本人選手が活躍する姿を観るようになってから。レスリングはいつも大会期間の後半なので、「試合が終わった選手はいいなぁ」と毎回思っていました(笑)。

――吉田選手以外の女子代表選手は、オリンピック前に国際大会やアジア選手権に出場します。

吉田 ええ、私はオリンピックまで試合をしません。母も、栄監督も、「ひとつぐらい試合に出たら?」と心配してくれましたが、自分で決めましたので。

――北京五輪とロンドン五輪のとき、本番前の試合で敗れた経験があるからですか?

吉田 北京のときはそれまでの連勝記録が途切れ、ロンドンのときは五輪直前でしたから、ともにつらい思いをしました。しかし、それぞれ負けたことで自分を見直し、気持ちを入れ替えて技術的にも磨き直して臨めたので、今回、オリンピック前に試合をしないということとは関係ありません。国内で大会がないので、試合に出ようと思ったら海外へ行かなければならず、それだったら国内でじっくり腰を落ち着けて練習しようと考えました。試合があってもなくても、緊張感を持って練習する術(すべ)は身についていますし、合宿もいつもの東京(味の素ナショナルトレーニングセンター)や新潟(十日町・桜花レスリング道場)だけでなく、沖縄などもあってマンネリにならないでしょうから。

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