吉田沙保里が真摯に語る「リオへの調整」と「結婚」と「合コン」 (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya  佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

――オリンピック初出場となる後輩たちに声をかけることは?

吉田 自分が経験してきたことを伝えようと思っています。先日は、「『オリンピックには魔物が潜む』と言うけれど、"魔物"は自分の気持ちのなかに潜んでいるんだよ」と話しました。

――オリンピックという修羅場を3度も経験し、結果を残している先輩が身近にいるのは心強いですね。

吉田 みんな揃って優勝して、一緒に喜びたいですからね。

――アテネ大会に出場したときは21歳。4度目のオリンピックについて思うことは?

吉田 もう33歳、よくここまでやってきたと思います。アテネのときは、今の自分は想像できませんでしたね。30代で迎える初めてのオリンピックなので、ちょっと不思議というか、そこが楽しみです。

――オリンピックという舞台はもう慣れましたか?

吉田 それはありません。試合までの調整法とか、選手村での過ごし方は慣れたかもしれませんけど、オリンピックは何度出場しても慣れるということはないと思います。

――本番まであと約6ヶ月、どんな心境ですか?

吉田 ワクワクする部分もあります、世界最高峰の舞台ですから......。でも、怖いほうが大きいかな。

――「世界選手権とオリンピックはまったく違う」と語るアスリートは多いですが、吉田選手にとってその違いとは?

吉田 それは、みなさんの注目度です。おかげさまでオリンピックだけでなく、世界選手権でもレスリングがテレビのニュースで取り上げられたり、中継されるようになりました。昨年ラスベガスで行なわれた世界選手権で優勝したときは、1面から3面までブチ抜きで記事にしていただいたスポーツ新聞もありましたから。でも、4年に1度のオリンピックは取り上げられ方の規模が違います。それを勘違いしないようにと、お父さんにはよく怒られていましたね。

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