43歳でW杯3位の葛西紀明。狙うは「平昌のメダルと国民栄誉賞」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真photo by Tsukida Jun

 横川ヘッドコーチはこう言う。

「葛西の場合は、空中の上手さを生かせる、ヒルサイズの大きなジャンプ台の方が有利だし勝てる可能性も高いんです。その点ではヒルサイズが134mの大倉山は彼にとって少し小さいというか、パワーがある若い選手の方に分があるといえます。それに、今は周りの選手もうまくなってきているのであまり目立ちませんが、葛西も飛び出してから進む方向とか、ジャンプ台への力の伝え方など、少しずつ進化していますね。ソチ五輪の頃はまだ荒さもあったけれど、今の方がかなり精度も高くなってきています」

 スキージャンプW杯は、このあと2月23日までの6戦が北欧シリーズになり、その中には彼が得意とするフライングヒルも2試合含まれている。

 札幌大会終了時点でW杯総合順位を大会前の12位から10位に戻し、次の試合も予選免除で臨めることも葛西にとって追い風だ(※W杯では総合10位まで予選免除。札幌では上位の欠場選手がいたため予選免除だった)。昨シーズンのW杯第3戦で更新しているW杯最年長優勝を再び更新する可能性も高くなってきている。

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