異次元の強さで飛ぶ髙梨沙羅。平昌五輪の金メダルへ視界良好 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yuya Nagase/ PHOTO KISHIMOTO

「今シーズンこそは、またクリスタルトロフィーを持って日本に帰りたい」

 夏場の成果のひとつとして、今回ヒルサイズの100m近くまで飛距離を伸ばしながらも飛型点では審判全員が18.5~19.0点(満点は20点)を出した飛型点の高さがある。

「テレマークを入れて結果を出せたというのは去年と違った点だと思うし、自信にもなりました。これまでは着地に怖さを感じていたわけではないけど、なかなか足を一歩前に出せていませんでした。今は最後まで粘って足を前に出すというコツをつかめたような気がします」

 そんな進化を見せる髙梨だが「まだまだ技術的にも精神的にも成長していけるように頑張りたい」という。たとえば、ソチ五輪では2本とも着地寸前に背中を叩かれるような追い風を受けてテレマークを入れられなかったが「早くそういう条件での着地も練習してみたい」と、悪条件さえ心待ちにしている。

 それもすべては、ソチ五輪で逃した金メダルを18年の平昌五輪で手にしたいという思いがあるからだろう。それまでは絶対に進化し続けたいという決意を、髙梨は札幌で見せてくれた。

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