異次元の強さで飛ぶ髙梨沙羅。平昌五輪の金メダルへ視界良好

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Yuya Nagase/ PHOTO KISHIMOTO

 W杯総合では髙梨に次ぐ2位につけるイラシュコはこう言うが、2日目の髙梨のジャンプは本人にとって7~8割の出来で納得いかないもの。それでも大差をつけて勝ってしまう強さが、今の髙梨にはあるのだ。

 彼女自身、「以前は動きにキレがないと思ったら、がむしゃらに体を動かして疲れた状態でジャンプを飛んでいた。動かしすぎてはいけないというのに気がついたのも、成長したところだと思う」と話す。

「私は地道に腹筋をするのが苦手なんですけど……」と笑う髙梨だが、昨年の夏はトレーナーが組んでくれた、ダイナミックな動きはないながらも体幹などを鍛えられる、静かで地道なトレーニングにも取り組んできた。そんなつらいトレーニングで高いモチベーションを保ち続けられたのも、昨シーズンはわずかなところで、W杯総合3連覇を逃した悔しさがあるからだった。

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