【トライアスロン】小さな鉄人・上田藍が狙うリオの「金メダル」 (5ページ目)

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

 上田は2006年から"感謝ノート"と呼ぶノートに、未来のことを過去形で綴る日記を書いている。例えば、「●●大会で優勝できました。ありがとうございます」といったように。書き込むことで、表彰台に上る姿を、フィニッシュテープを一番に切る自身の姿をイメージして、モチベーションを、日々の練習の質を引き上げていく。

 ロンドンオリンピックが終わったその日、彼女は感謝ノートを開き、こう記した。

「2016年、リオデジャネイロオリンピックで勝つことができました。ありがとうございます」

 日記が現実となった時、彼女はあの日の酒場の水兵たちに、もう一度感謝するだろう。

【プロフィール】
上田藍(うえだ・あい)
1983年10月26日生まれ。京都府出身。
中学時代に水泳、高校時代の陸上経験を経て、トライアスロンに転向。身長155cmと小柄ながらも、現在日本ランキング1位を維持し、今年10月に行なわれた日本選手権では、4連覇を果たした。オリンピックは北京、ロンドンの2大会に出場している。

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