バドミントン王国日本へ。女子決勝の日本人対決が見せた底力 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 一方の奥原は、社会人になってからの2年間、相次ぐ膝の手術でこの大会は3年ぶりの出場。スーパーシリーズより格下のゴールデングランプリなどでは優勝もあり、世界ランキングは9位だが、五輪出場レースに入ってからのスーパーシリーズ2戦は1回戦負け、8月の世界選手権も初戦負けと、不安を抱いて臨んでいた。

 だが、1回戦で格下の選手に勝って落ち着くと、2回戦では同い年で13年世界選手権優勝のラチャノック・インタノン(タイ/5位)を相手に第1ゲームを奪われたものの、第2ゲーム、ファイナルと勝ち切った。「ラリーは自分のリズムで自信を持ってできた。後半は相手も疲れていたので体力勝ち。ジュニアの頃、タイに行って一緒に練習をしていたけど、13年世界選手権優勝で遠い存在になったと思った。でも、1回も勝ったことはなかったけど、今は私もランキングが上がり対等に戦える選手だと思えるようになっていた」と自信を覗かせた。

 そして準々決勝で三谷を下すと、準決勝ではタイ・ツーイン(台湾/3位)競り勝ち、決勝進出を決めた。決勝の相手となった山口について奥原は、「茜ちゃんは遠征でも同部屋になり、プレーだけではなくメンタルのこともよく話す相手。以前は年下に負けたくないという気持ちもあったけど、今は彼女が日本女子シングルスを引っ張っていく選手だと尊敬している」と対戦を楽しみにしていた。

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