【月刊・白鵬】「夏を満喫した」という横綱の、初めての体験

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

第53回:夏巡業

名古屋場所での優勝パレードで歓喜する白鵬(右)。左は旗手を務めた旭天鵬。名古屋場所での優勝パレードで歓喜する白鵬(右)。左は旗手を務めた旭天鵬。名古屋場所(7月場所)で
通算35回目の優勝を飾った横綱。
その後は、ほとんど休む間もなく、
夏巡業で全国各地を奔走した。
その充実した巡業の日々を振り返る――。

 35回目の優勝を遂げた名古屋場所(7月場所)が終わって、その1週間後には、長期間の夏巡業に出発しました。おかげで、今年の8月は「夏を満喫したな」と感じています。

 およそ3週間にわたる夏巡業は、8月3日の岐阜市から始まりました。以降、北陸、上越を経て、東北、そして北海道まで行って、帰京。少し間を置いて、東京・丸の内のKITTE場所(8月29日)での巡業を最後に終了しました。

 めぐった土地は、17箇所。思い返してみれば、こんなに長くて、これほど多くの場所に訪れた夏巡業は、私にとっては初めての経験でしたね。

 巡業先では、さまざまな体験をして、それぞれの場所でいい思い出ができました。石川県や新潟県では、新鮮な海の幸を目いっぱい堪能させていただきました。一方、福島県では3箇所で巡業を行なって、いまだ復興途中にある被災地の現状を目の当たりにしました。その際は、復興に向けて、私自身にできることは何か、新たに考えさせられましたね。

 北海道では、札幌市で2日間の巡業が行なわれました。カラッとした空気の中、気分がとても爽快になりました。食べ物も美味しくて、この時期の北海道は本当にいいですね。気候や空気感が、私の母国モンゴルの雰囲気に似ているから、余計に居心地がいいのかもしれません。

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