勝敗を超えてスポーツの魅力を表現できる! 俳句の新たな可能性 (2ページ目)

  • 石塚 隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 村上庄吾●写真 photo by Shogo Murakami

市橋 こんなかわいい句でもいいんだって、すごい新しい発見でしたよ。スポーツという部分で見ると、アスリートは試合に至るまで、いろんなドラマがあります。それを十七文字の短い文章で伝えることができるんだと感じられたのは収穫でしたし、深い世界だなと思いました。

杉山 スポーツライターとして思ったのは、スポーツの迫り方には、いろいろな角度があるわけですよ。しかし、どうしても結果に左右されがちなことを書かなければいけません。そういった意味で俳句というのは、勝敗に関係なくスポーツそのものの魅力について語ることができるものだということに気づかされました。通常のメディアのような俗世界と完全に違うゾーンにあるスポーツ表現という感じがしました。

高森 杉山さんの『凡戦やツバメがピッチを賑わせる』という句がありましたけど、これはどんなスポーツかも明確にされていないし、勝敗もわからないんだけど、確かにスポーツの本質的な魅力を感じ取れた作品でしたね。

堀本 スポーツを俳句にすると、人間の普遍的な営みのようなものが象徴的ににじみ出てくるような感じがしました。だからどんなスポーツであっても人間というものが見えてきて俳句としての魅力が立ち上がっていったような気がします。

杉山 こういった機会ならではのスポーツに関する話が聞けて新鮮でしたね。普段は目的を持ってアスリートに話を聞くので、それとは違いいろいろな意味で勉強になりました。

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