【レスリング】吉田・伊調以外で金メダル候補は育っているのか? (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya  photo by AFLO

 2014年の世界選手権では元世界チャンピオンを3人も破りながら、決勝戦・第1ピリオドで左足の甲を痛めて無念の準優勝。アジア選手権優勝によって入ったランキング4位から2位にアップしたものの、今年の春はケガが完治せず、国際大会出場はゼロ。ランキングは11位まで落としたが、国内では無敵の逸材だ。今年の世界選手権で完全復活を遂げれば、来年のリオ五輪で頂点を狙えるだろう。
 
 一方、今後どうなるかわからないのが、伊調と同じ58キロ級の世界ランキングで2位につける川井梨紗子(至学館大)だ。2014年のワールドッカップ東京大会はケガの伊調に代わって全試合に出場し、アメリカ、中国、ハンガリー、ロシアの強敵を相手に圧倒的な強さを見せつけて4戦全勝。その結果、58キロ級ランキングで9位から伊調に次ぐ2位へと躍進した。同年の世界選手権は国内予選で伊調に敗れて出場できなかったものの、その後も2位の座をキープしている。

 ところが、リオ五輪の第2次選考会を兼ねた今年6月の全日本選抜選手権大会では、伊調との対戦を避けて63キロ級に転向。そして全日本選抜を制し、世界選手権の日本代表に選ばれた。58キロ級のすぐ上の60キロ級がオリンピックの実施階級ではないため(世界選手権は五輪6階級に55キロ級と60キロ級を加えた8階級)、2階級上げて5キロ増の63キロ級を選び、オリンピックへの道をつないだが、果たして世界で通用するか。

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