【レスリング】吉田沙保里の夏合宿「着いた瞬間から帰りたい」 (6ページ目)

  • 宮崎俊哉●構成 text by Miyazaki Toshiya  喜 安●撮影 photo by Kiyasu

――だから、櫻花レスリング道場前の急坂は、「金メダル坂」と呼ばれているんですね。

吉田 全日本の合宿は、毎年3月の終わりから世界選手権が開催される9月の直前まで、ほぼ毎月ありますが、今は東京にある味の素ナショナルトレーニングセンターで行なわれることが多くなってきました。科学的なトレーニングができる最新設備が整い、宿泊は全員個室。何ひとつ不自由なく快適なのですが、私は大自然の中でレスリングのことだけに集中して、ときにはバカになって練習に打ち込むことも必要だと思います。

 最年長選手となってしまった今、正直、合宿で若い選手たちと同じメニューをこなすことはしんどくなりました。それでも、合宿で自分をトコトン追い込み、限界に挑戦して体力とともに精神力を徹底的に鍛えあげ、今年の世界選手権(9月7日~12日/アメリカ・ラスベガス)で世界大会16連覇、さらには来年のリオデジャネイロ・オリンピックで「日本選手初・女子初・レスリング初」の4連覇を達成します!


photo by Kiyasuphoto by Kiyasu【profile】
吉田沙保里(よしだ・さおり)
1982年10月5日生まれ、三重県津市出身。ALSOK所属。自宅でレスリング道場を開いていた父・栄勝(えいかつ)氏の指導のもと、3歳から競技を始める。2004年アテネ五輪、2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪の女子55キロ級・金メダリスト。2012年の世界選手権を制し、男女通じて史上最多となる世界大会13連覇達成(現在は15連覇中)。この功績により、2012年11月に日本政府から国民栄誉賞を授与された。2015年、自身初の著書『明日へのタックル!』(集英社)が発売。

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