【レスリング】吉田沙保里の夏合宿「着いた瞬間から帰りたい」

  • 宮崎俊哉●構成 text by Miyazaki Toshiya  喜 安●撮影 photo by Kiyasu

――食事以外での楽しみは?

吉田 みんなと寝室でワイワイできることですね。雑魚寝ですけど、それも楽しくて。また、露天風呂があるので、そこでの「裸のつきあい」も楽しいです。恋バナしたり(笑)。あとは、地元の方たちとの交流かな。十日町には全日本女子レスリング連盟の後援会があって、みなさん本当によく応援してくれるんです。合宿中にBBQパーティーを開いてくれたり、浴衣を着せてくれたりと、とっても感謝しています。

――吉田選手にとって、夏の合宿とはなんでしょうか?

吉田 今の自分があるのは、あの時代の厳しい合宿があったから。それは間違いないです。合宿では、監督やコーチに言われてやっているだけ、やらされているだけの選手もいると思うんです。一方、坂道ダッシュでもスパーリングでも、自分から積極的に「あと1本! あと1本!」とやる人もいる。自分もそうやってきたから、これだけの成績を残すことができました。

 普段の練習も大切ですが、やっぱり選ばれた選手たちが集まる合宿は違います。「隣を走るライバルには絶対に負けない」、「あの人がまだスパーリングを続けているなら、自分もまだまだ」と思ってやってきました。最後はフラフラになりながらも、この坂を上りきれば金メダルをつかめる」と信じて。

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る