【レスリング】吉田沙保里、五輪史上初「女子4連覇」への想い

  • 宮崎俊哉●構成 text by Miyazaki Toshiya  根本好伸●撮影 photo by Nemoto Yoshinobu

――吉田選手はかねがね、「夢は大きく口にしたほうがいい」と言われていますが。

吉田 それはもう、子どものころからずっと有言実行型。目標は隠さずみんなに告げて、自分を追い込み、逃げ場をなくすタイプです(笑)。

――先ほど、「年齢を重ねて」というお話がありましたが、その点は?

吉田 今も基本的には、若い選手たちと一緒に同じメニューで練習していますし、大会前は誰よりも追い込んだ練習ができていると思います。ただ正直、大学生のころとまったく同じというわけには……。しかしその分、集中してやっています。問題はやっぱり、回復力、かな。練習後の回復は確実に落ちています。もうグッタリして、「私ももう歳かな」なんて思ったりします(笑)。

――「2020年東京オリンピックにも出場します」と宣言したぐらいですので、年齢問題は乗り切れると思いますが、実際に試合ではいかがですか?

吉田 ケガは多くなりましたね。幸い、大きなケガはありませんが、昨年の世界選手権の準決勝でも肩を痛め、決勝戦は肩をかばいながらの戦いとなってしまって……。

――それでも、きっちりと優勝しました。

吉田 ええ。でも、自分でもビックリしたのは、その1ヵ月後の韓国・仁川で行なわれたアジア競技大会。初戦で中国選手にフォールされそうになったとき、ほんの一瞬ですが、「これで終わりかな。肩をつけたら楽になるかな……」という思いが頭をよぎったんです。

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