【レスリング】吉田沙保里、五輪史上初「女子4連覇」への想い (2ページ目)

  • 宮崎俊哉●構成 text by Miyazaki Toshiya  根本好伸●撮影 photo by Nemoto Yoshinobu

――代表に選ばれれば4度目のオリンピックとなりますが、これまでと比べると?

吉田 初めてのアテネのときはイケイケ。北京のときは五輪半年前に負けて、連勝記録(公式戦119連勝)は途切れましたが、負けたことで多くのことを学び、さらに強くなって万全の態勢で臨むことができました。ロンドンのときも大会2ヵ月前に負けて、それを糧(かて)に強くなった一方、直前までいろいろ悩むこともありましたが、おかげさまで3連覇することができました。今回のリオでの戦いはもっと厳しくなるでしょうし、自分にとっての意味もまったく違ってくると思います。

――金メダルを獲得した後、アテネや北京、ロンドンでは心境も違っていたようですね。

吉田 アテネや北京のときは、表彰台から降りてきてすぐに、「4年後の北京オリンピックで2連覇します!」、「ロンドンで日本女子選手初のオリンピック3連覇します!」と宣言しましたけど......。さすがに私も年齢を重ね、29歳10ヵ月で迎えた3度目のオリンピックの後は、4年後に行なわれるリオデジャネイロオリンピックに想いを馳せることはできませんでした。

――リオを意識するようになったのは、いつごろからですか?

吉田 ロンドンから帰国して1ヵ月後、カナダのストラスコナカウンティで開かれた世界選手権に出場して世界大会13連覇を達成し、ずっと目標にしてきたアレクサンドル・カレリン(ロシア)の記録を抜くことができて、国民栄誉賞をいただいたころですかね。4年後に向けて自分の中で決意が固まり、「リオでも金!」と、心から誓うことができたのは......。

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