幼馴染みの髙梨沙羅を追いかけて。勢藤優花の決意とは。 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by REUTERS/AFLO

 そんな勢藤は髙梨にとっても、遠征中に上川町の話などができる、気心の知れた存在だろう。

「私は球技が苦手だから、沙羅に勝てているのは身長だけですね(笑)。彼女は着地のテレマークができなかったけど、頑張って練習してできる様になっているので……。私もテレマークができないので、そこは沙羅のように頑張ってできるようになりたいと思います」

 こう話す勢藤はこの4月から、看護師になる夢と競技を両立させるために、陸上の福島千里が所属する北海道ハイテク学園の系列校である北海道メディカル・スポーツ専門学校に進学する。そして、そこでは98年長野五輪金メダリストの船木和喜の指導を受ける予定だ。

「去年までは『出られたらいいな』と思っていただけのW杯や世界選手権に出られたから……。将来の夢は平昌五輪だけど、まずは2年後の世界選手権に出るために、頑張ってもっと練習をしたいと思います」

 幼馴染みでありながら、憧れ、尊敬する選手でもある髙梨を追いかけた先には、世界トップの戦いが待っている。勢藤は今、本気で髙梨の背中を追いかけ始めている。

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