【2014年回顧】数々の快挙の陰で起きた「歴史的不祥事」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

 問題なのは、差別を連想させる横断幕が掲出されたこと、だけではない。横断幕の存在を確認していたにもかかわらず、試合終了後まで横断幕を撤去できずに放置していたチームの対応も、大きな問題としてクローズアップされた。その結果、村井満Jリーグチェアマンは会見で謝罪し、3月23日に行なわれる浦和ホームの第4節・清水エスパルス戦をJリーグ史上初の無観客試合とする処分を決定。また、今後こうした行為が改善されなければ、勝ち点のはく奪や降格といった重い処分も視野に入れると語った。

 そして迎えた3月23日の清水戦。浦和の主将・阿部勇樹は、無人の埼玉スタジアムのピッチで、「サッカーを通じて結ばれた大切な仲間とともに、差別と戦うことを誓います」と、差別撲滅宣言を読み上げた。

 横断幕を掲げたサポーターグループは無期限の活動停止処分となり、所属メンバー全員は浦和が出場するすべての試合で入場禁止となった。また、無観客試合によって派生したチケットの払い戻しや宿泊費のキャンセル料は、すべてチームが負担することになった。クラブの損失額は、3億円以上と言われている。ちなみに、この無観客試合は1-1の引き分けに終わっている。

2014年プレイバック (8)
高校1年生の勝みなみ、女子プロツアー史上最年少V

 日本女子ゴルフに新時代をもたらした宮里藍のアマチュア優勝から、10年あまり――。2014年4月20日、新たなヒロインが誕生した。熊本空港カントリークラブで行なわれたKKT杯バンテリンレディスオープンで、鹿児島高校1年のアマチュアゴルファー・勝みなみが優勝し、日本女子プロツアー最年少V記録(15歳293日)を打ち立てたのである。

 最終日、首位と1打差の2位タイでスタートした勝は、10番、11番と連続バーディを奪う快進撃。スコアを4つ伸ばし、逆転で大会を制した。通算11アンダーで優勝した勝は、2008年に馬場ゆかりが作ったトーナメントレコードも2打更新。アマチュアの優勝は史上4人目の快挙だ。

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