【2014年回顧】ソチ五輪。選手たちが流した涙に日本中がもらい泣き (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

2014年プレイバック (2)
鉄人・葛西紀明がラージヒルで笑顔の銀メダル

 夏季・冬季を通じて史上最年長(41歳)で日本選手団の主将を務め、日本人最多7度目のオリンピックに挑んだ葛西紀明。2月9日に行なわれた男子ノーマルヒル個人では2本目に進むものの、上位陣に追いつけず8位に終わった。

 そして迎えた2月15日、男子ラージヒル個人。葛西は1本目で139メートルを飛び、トップのカミル・ストッフ(ポーランド)に2.8ポイント差で2位となる。そして、2本目は133.5メートルをマークし、距離・ポイントともにストッフを上回ることに成功した。1回目の得点差を覆(くつがえ)すことはできなかったものの、個人として初となる銀メダル獲得となった。

 日本ジャンプ勢の個人メダルとしては、1998年・長野五輪での舟木和喜、原田雅彦以来となる16年ぶりの快挙。また、41歳254日でのメダル獲得は、冬季五輪における日本人最年長記録となった。メダル授与式の際、葛西は飛び乗るように表彰台に上がり、右手を突き上げて大きくガッツポーズ。満面の笑みで喜びを表現した。

 ソチ五輪後も葛西は、「2018年の平昌五輪を目指す」と語るなど、現役を退く気配は微塵もない。11月29日にはワールドカップ第3戦で今季初優勝を遂げるなど、「レジェンド」は止まることなく飛び続けている。

2014年プレイバック (3)
女王・髙梨沙羅がまさかの失速でメダル逃す

 ソチ五輪で新たに正式種目となったスキージャンプ女子ノーマルヒル。金メダル最有力といわれていたのは、日本ジャンプ界の新星――17歳の髙梨沙羅だった。

 2012年3月に日本人女子選手として初めてワールドカップ初優勝を果たし、翌シーズンは8勝を挙げて初の年間総合優勝。ワールドカップ史上最年少記録(16歳4ヶ月)を樹立し、一躍、時の人となった。そして、2013-2014シーズンも開幕から圧倒的な強さを見せ、ソチ五輪直前までに13戦10勝をマーク。「髙梨の金メダル獲得は間違いない」と、誰もが確信していた。

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