【トライアスロン】リレーの魅力伝えた日本、初代王者に (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 長田洋平/アフロスポーツ●写真 photo by Nagata Yohei/AFLOSPORTS

 個人ではアジア大会2連覇を成し遂げたアンカーの細田雄一は、定評のあるスプリント力で韓国を引き離し、独走でガッツポーズをしながらゴール。4人はがっちりと円陣を組みながら抱き合った。細田は「前の3人が頑張ってくれて勝負はついていたので、僕は何もやることがなかった」と苦笑いした。

 狙い通りのレース展開での優勝に、飯島監督は「第1走者の佐藤がスイムからトップに立ち、第2走者の田山につないで期待通りにやってくれた。4人が役割を全うして頑張ってくれたし、戦術的にはまった展開だった。混合リレーはすごくエキサイティングな種目で、日本人にとってはチームプレーができ、駅伝のようにつなぐ意識が発揮できるので有利だと思います」と、会心のレースを振り返った。

 男女混合リレーは、個人に比べて1人当たりの距離が短く、スプリント力が重要になる。今回のアジア大会はスイム250メートル、バイク6.6キロ、ラン1.6キロで争った。スピード重視のレースということもあり、泳力のある選手が勝負のカギを握る戦いになるようだ。また、勢いのある若手選手に向いている短距離種目でもあるだけに、今後はリレー専門の選手が登場する可能性も高いという。

 すでにトライアスロン単独の世界選手権などでは実施されており、欧州では人気種目のひとつ。世界トライアスロン連盟(ITU)ではIOCに対して16年リオ五輪での正式採用を申請し、却下されたが、次の東京五輪での採用に向けて、ロビー活動が盛んに行なわれているという。 

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