【重量挙げ】三宅宏実&八木かなえ、リオ五輪に照準ピタリ (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by(C)Takamitsu Mifune / PHOTO KISHIMOTO

 今回の三宅の体重は上限より遥かに低い49.56kgだった。その理由をこう説明する。

「今回減量して48kg級に出れば、もしかしたらメダルに絡んだかもしれません。でも私はリオデジャネイロ五輪の48kg級で勝負すると決めているから、目先のことよりその後を意識しました。53kg級で勝負するなら今より5kgくらいは増量して試合前に減量しなければいけないけど、今はリオの48kg級でメダルを獲るために、無理をしない現状の体重で53kg級に出て底力をつける時だと思っています」

 ロンドン後はトータル180kg台で終わる試合が続き、自分で限界かなとも思ったという。だがやっと戻りつつある状況。そこでクリーン&ジャークの失敗で目標の200kgには届かなかったが、手応えのある試合ができたと笑顔を見せる。

「世界記録の応酬になるすごい試合を肌で感じることができて刺激されました。許選手もチンシャンロ選手も、クリーン&ジャークでは自己ベストより5kgも重い重量をあげて勝負を仕掛けて。その勇気は見ていて鳥肌が立つくらいすごいと感じたし、私も本当に本当に元気とやる気をもらいました」と三宅は興奮気味に話した。

 それは八木も同じだろう。ふたりは11月の世界選手権はともに53kg級に出場する。キッチリとリオデジャネイロ五輪の48kg級に照準を絞り、しっかりと底力をつけようとする三宅と、大学卒業後はアルソックに入社して、社会人として技術と体力を磨きながら競技を続け、このハイレベルな階級で勝負しようと決意する八木。彼女たちはこのアジア大会を踏み台にリオへ向け、それぞれの歩みを始める。

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