2014.07.16

【月刊・白鵬】横綱がメッシのMVPを喜んだワケ

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 ところで、サッカーのブラジルW杯も大いに盛り上がりましたね。私も、できる限りテレビ観戦して、一喜一憂していました。

 日本代表は、ちょっと残念でした。本田圭佑選手が「目標は優勝です」と語ったこともあって、かなりの躍進が期待され、知り合いでもある香川真司選手の活躍も楽しみにしていたんですが、グループリーグで敗退してしまいました。

 何より痛かったのは、初戦のコートジボワール戦(1-2)。先制したものの、後半に逆転されて、出鼻をくじかれてしまいました。それが響いたのか、続くギリシャ戦でも、日本のよさが見られずに0-0のドロー。もう負けられない3戦目のコロンビア戦では、積極的な姿勢を見せてくれましたが、結局1-4と敗戦。世界との力の差を痛感させられたような気がしました。

 改めて思ったのは、日本の選手と世界の選手との体格差です。日本はフィジカルで劣る分、セカンドボールの競り合いや1対1の局面でことごとく負けていたように思います。もちろん、それはわかっていたことでしょう。フィジカルでは世界にかなわない分、その差を組織やチームワークで埋めていくのが日本の戦い方だったと思うのですが、今回はそのチームワークや団結力も日本には欠けていたように見えました。

 日本の主力選手のほとんどは、欧州リーグで活躍しています。そのため、代表チームとして一緒に練習する時間が少ないことはよくわかります。しかし、真剣に世界と戦って勝つことを考えるならば、日本の選手だけでも、または欧州にいる選手だけでもいいから、頻繁に集まって、できる限り代表チームとして多くの時間を過ごすことが必要なんじゃないかな、と思ったりしました。

 日本代表以外で気になって見ていたのは、ブラジルです。それだけに、ネイマール選手の負傷はとても残念でした。

 それにしても、驚いたのは、準決勝のドイツ戦。「サッカー王国」と呼ばれるあのブラジルが、まさか1-7という大差で負けるとは思いませんでした。サッカーというスポーツの恐ろしさを感じた試合でもありました。

 また今大会、選手個人で最も注目していたのは、アルゼンチンのメッシ選手です。故郷のアルゼンチンへの温かい思いがあって、『レオ・メッシ財団』を作って恵まれない子どもたちをサポートし、社会貢献に力を入れているところが、私の心に響くんですよね。これまでも、メッシ選手と私は、考え方が似ているんじゃないかなと思って、ずっと応援していました。

 そうした姿勢だけでなく、メッシ選手のプレイぶりにも魅力を感じています。体は決して大きくありませんが、非常に自然体のプレイが光っていて、今回も“ここ”というところでビッグプレイを見せてくれました。決勝戦ではドイツに0-1で敗れてしまいましたが、最後の最後までメッシ選手の活躍を見られたのはよかったです。そして彼が、大会MVPに選ばれたことは、私にとってもとてもうれしい出来事でした。

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