葛西紀明のソチ五輪。「2つの銀メダルよりひとつの銅メダル」
こう話す葛西にとって、20年前の1994年リレハンメル五輪の団体の銀は、金メダルをほぼ手中にしていながら逃してしまったという、悔しさの方が強い銀メダルだった。だが今回は本当に、「何色でもいいからみんなで」という思いでもぎとった、「あの時より格段に嬉しい」銅メダルだという。
「98年長野五輪以来の団体のメダルですが、世界トップの状況はあの頃とは別格といえるほどレベルアップしているし、W杯でポイントを獲ることも難しい。ましてや優勝はさらに難しく、高いレベルになっているんです。その中でもチームでメダルを獲れたということは本当に嬉しいし、大きな満足感があります」
ソチは、葛西にとって初めて経験する納得のいく五輪だったといえる。だが、それで立ち止まろうとはしない。彼はこの充足感を新たなバネにして、金メダルを目指してまた次の一歩を踏み出していく。
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