【スピードスケート】男子500mで完敗した日本が考えるべき「今後の強化策」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Noto Sunao/JMPA

 加藤は2本目、きっちりとスタートを決めて加速し、100mを1本目より0秒1速い9秒56で通過。低地リンクの自己セカンド記録の34秒77でゴールした。そしてスメーケンスと同走になった長島も、100mは1本目より0秒05遅いだけの9秒58で通過したが、最初のカーブでスケートが流れてしまって失速。スメーケンスにかわされると35秒25までタイムを落してゴール。2本合計では5位になった加藤に届かず6位に止まった。

 上位は1本目と2本目を34秒6台にまとめたミヘル・ムルダーが、2本目を34秒72に落としたスメーケンスを0秒01差抑えて優勝。3位には、1本目は加藤と同じ34秒96だったムルダーロナルド・ムルダー(ミヘル・ムルダーの双子の弟)が、34秒49という素晴らしいタイムを出して食い込み、オランダ勢のメダル独占という結果になった。

「課題にしていたピーキングはうまくいったと思うし、コンディションもほぼベストの状態だったから、2本目は何とか一発当ててメダルをという気持ちで挑んだけど届きませんでしたね。オランダ勢が今まで戦ってきたのとはレベルの違うタイムで滑ってきたので......。接戦にも持ち込めない完敗でした」と加藤は言う。

そして長島も「1本目は3位でも、組み合わせをみると厳しいのはわかっていたので、『何とか』という気持ちで挑みました。でもここまでずっと課題にしていたインレーンの第一カーブで失敗したので。この4年間一度もしっくり来ていないというのは、実力がないというだけです」と話す。

 バンクーバー以降、金メダルしか見ていなかったふたりの戦いは、オランダ勢の進化の前に敗れた。

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